Autodesk Molecular Viewerを使ってみた

生物学

注記: 2019 Mar. Autodesk Molecular Viewerの開発を進めていたAutodesk ResearchはProjectを2017年に終了しており、現在はOmeXというサイトで無料公開を行なっています。

 

Autodeskが分子モデルビューアーをリリースしたので試しに使ってみました。

ちなみに僕は生物系の修士号を持っていて、専門は分子細胞生物学でした。

その中でも僕はタンパク質構造に注目していたので、当時はPyMolを利用していました。

その点の前提知識があることを踏まえて、Autodeskのビューアーを利用していきます。

開くといきなり分子モデルが現れます。左上に1C7Dと書いているのはPDB IDでしょうか。

Fileを開くとPDB IDから直接モデルをインポートすることができるようです。

とりあえずPDBにアクセスして、僕が研究していたタンパク質の立体構造を探してみます。

僕の先輩が解析したモデルが今でもちゃんとあったので、これをみていきたいと思います。

IDを入力するとすぐにロードされてきます。以前はファイルをダウンロードして、PyMolに入れてとやっていたのが、簡単にできる点は魅力です。

左にあるInstancesをいじってみます。

この分子モデルは一本鎖のタンパク質構造にSO4とNa+が結合した状態のモデルです。Chainsという列にはAnnexin A4(タンパク質の名前)、Sulfate ion, Sodium ion, Waterと表示されています。

それぞれをクリックするとビューが拡大されます。

この辺の機能はPyMolでももちろんできるのですが、GUIベースのPyMolと比べると操作が非常に楽です。あと右上の立方体があると思うんですが、これが便利です。

Autodeskのプロダクトにはこの機能がついているのですが、このキューブを回すだけで立体モデルをグルグル回すことができます。

そして、グルグル回しすぎてどっちがどっちだか分からなくなった時に、すぐに「前」という面を押せば、一番最初の見え方に戻ることができます。

あと上のメニューにVR Modeというものがあります。気になる。

クリックすると上の画面が現れて、VRヘッドセットを使うかスマホのカードボードを使うか選べみたいに言われます。

ヘッドセットは持っていなかったので、以前のイベントのノベルティで配られたカードボードを組み立てました。

そしてスマホのリンクにアクセスして見るとさっきのモデルが出てきます

指で触るとクルクル回転します。

さらにメニューバーを触るとVirtual Realityの文字が。

タッチするとカードボードに入れてくださいって出てきます。

そこで作ったカードボードに入れて見ると…

おーVR!!!

多分この感想はこの図だけでは伝わらないのですが、3Dで見える!

上からも下からも覗き込むことができる!

すごーい!!! 構造生物学の大革命かもしれない!